猫は食べ物にうるさい動物。
飽きちゃうといつも食べていたキャットフードを食べなくなることがありますよね。
ただ飽きただけならフードを変えれば解決するのですが、病気になって食べれなくなると一大事。
我が家のミックはリンパ腫(癌)になり、抗がん剤の副作用で極度の食欲不振に陥りました。
食べたくても食べれない状態です。
でも食べないと体が持たないので、何とかして食べてもらえるように飼い主の私たちはいろいろな工夫をしてきました。
この記事では、私が実際に行った猫にエサを食べさせる方法を紹介していきます。
きっと猫の飼い主さんなら誰しも私たちと同じような悩みを抱えることがあると思います。
あなたの猫ちゃんが食欲不振になった時の参考にしてみてくださいね。
子猫用のフードで栄養を効率よく摂る
「何とか食べさせようとしても、少ししか食べない…」
「食べないから水も飲まない…」
「脱水になる」
「さらに健康が悪化する」
こうなると完全に負のスパイラル。
猫は食べる量が極端に減ってしまうと、様々な病気を誘発してしまいます。
栄養不足は健康の大敵ですからね。
ミックも抗がん剤治療中はこのような状態になってしまいました。
主治医の先生からも「食べないのはとても問題です。食欲が戻らない時は病院で点滴を打ちましょう」とアドバイスされ、何度も皮下点滴と食欲増進剤を投与するために病院に通いました。
しかし点滴には猫に必須の栄養素であるタンパク質や脂質が含まれてないんですよね。
点滴だけで生きていくことはできないので、必要な栄養はエサを食べて摂取するしかないんです。
そこで私たちがやっているのは、少量の食事でもできるだけ栄養が摂れるフードを与えること。
それは「成猫用ではなく子猫用のフードを与える」ことです。
キャットフードは対応している年齢によって栄養価が異なります。
成長期で活発に動き回る1歳までの子猫用キャットフードは栄養満点。
1グラムあたりのカロリーやタンパク質の量が多いんですよ。
1歳半を過ぎると猫の運動量は少しづつ落ち始めるので、それに合わせて成猫用のキャットフードは少しカロリーが抑えてあります。
老猫用のフードはさらに抑えてあります。腎臓に負担をかけず肥満を防止するためですね。
つまり全てのライフステージに対応したキャットフードはありません。
「全てのライフステージに対応している」という宣伝文句で販売されているフードがたくさんありますが、それは誇大広告。嘘です。
年齢ごとに商品のラインナップが分けてあるフードを選びましょう。
そのようなフードは正しい栄養学に基づいて作られています。
そんなわけで、うちでは食欲が落ちている時には子ねこ用フードをミックに与えています。
次に具体的にどの商品をあげているのか紹介していきますね。
健康な時にあげているフードから、食欲がない時にあげているフードまで全部紹介します。
最後に超簡単にできる手作りササミも紹介しています。
健康な時にメインで食べている「ピュリナワン」
健康な時にメインであげているのはピュリナワン。
栄養のバランスが完璧で、ほとんどの猫の食いつきが良いと評判です。
しかも低価格で買えるコスパ最高のキャットフード。
さすが世界的食品メーカーのネスレですね。
商品開発力が違います。
ただ毎日こればかりをあげているとミックもジャガーも飽きちゃうので、気分を変えるために他のフードもあげています。
ずっと同じものを食べたくないのは人間も猫も同じですよね。
獣医師がおすすめする「アイムス」と「ロイヤルカナン」
アイムス。
こちらも品質とコストのバランスが最高のキャットフード。
味も美味しいみたいで、ミックもジャガーもよく食べてくれます。
袋が小分けになっているのも使いやすくて良いです。
ロイヤルカナン。
多くの動物病院で処方されており、獣医師が一番おすすめするキャットフードです。
年齢ごとに商品が用意されているのはもちろんのこと、療法食も豊富に取り揃えられているサイエンスフード。
アイムスもロイヤルカナンも、品質に間違いがないので超安心。
これさえずっと食べていれば、健康に長生きしてくれます。
うちでは他にもナチュラルチョイスをよくあげています。
1歳まではナチュラルチョイスがメインでした。
大人になってからは、これらの商品をローテーションであげています。
「飽きてきたな、食いつきが悪くなったな」と感じたら別のに変えてみるといった具合ですね。
エサを変える時に一点だけ注意してほしいのは、
フードの品質は良くても猫によっては体調を崩してしまうこともあること。
血統や体質によって、合う合わないがあります。
これは人間でも同じですね。
欧米人は海苔を消化できませんが、日本人や韓国人は消化できます。
逆に日本人は牛乳でお腹がゆるくなる人がたくさんいますが、欧米人にはあまりいません。
食材に問題はなくても、体質との相性に問題があるんですね。
ですから、フードを変えた時には便の状態や吐く回数が増えてないか少し気にしておきましょう。
ミックやジャガーも便の硬さや臭いがフードによって変わりますよ。
ここで紹介した商品はまったく問題がなかったですけどね。
話は戻りますが、
ミックが抗がん剤治療を始めてからは、残念ながらどの商品も食べてくれなくなりました。
匂いを軽く嗅ぐとそっぽを向いてしまいます。
もうカリカリ(ドライフード)は食べたくないという様子。
そこで私たちは何とかしてミックが食べてくれるように様々な工夫をしてみました。
ここからが食欲不振との本当の闘いです。
猫たちが大好きなふりかけ「ふわニャン」
ふわニャンはマジですごい。
削り節のようなふわふわで薄いお肉なのですが、
これを少しピュリナワンやロイヤルカナンにふりかけると、ガツガツ食べてくれます。
もっとちょうだい!!とせがんできます。
パッケージを見ただけでテンションがあがります。
ふわニャンが他のふりかけと違うのは、無添加なところ。
鶏肉以外の余計なものが一切入っていません。
100%鶏むね肉のみで作ってあるので、タンパク質の塊。
味も生のお肉に近いのでめちゃくちゃ美味しいんですね。
ふわニャンだけを食べさせると他の栄養素が取れなくなるので、キャットフードのふりかけとして使っています。
ただし無添加なので悪くなりやすいことには注意しましょう。
うちでは冷蔵庫で保存しています。
薬を飲ませたい時に大活躍「ロイヤルカナン パウチ」
これはロイヤルカナンのパウチバージョン。
値段は高いですが、総合栄養食なので栄養バランスは完璧。これだけを食べていれば栄養は十分。
しかもめちゃくちゃ美味しいんです、これ。
封を開けると、焼き鳥の缶詰めのような甘辛い香りがします。
この匂いが猫の食欲をそそるんですね。
匂いが強いので薬を飲ませたい時にも使えますよ。
ミックもジャガーも、胃腸薬くらいならこれに混ぜればすんなり食べてくれます。
抗がん剤治療の副作用で食欲不振になっても、ロイヤルカナンのパウチは比較的よく食べてくれました。
すごく使えるので、箱買いしています(笑)
しかし、抗がん剤治療が進んでいくと、ミックは最強ふわニャンや魅惑の香り漂うロイヤルカナンのパウチすら食べてくれなくなりました。
これまでは多少体調を崩してるときでもこの2つがあれば問題なかったのですが、抗がん剤の副作用には勝てませんでした。
これはいよいよヤバイということで、私たちのフードジプシーが始まります。
栄養バランスの良い子猫用パウチ「メディファス」
メディファスは栄養バランスが整えられていて、パウチにしてはリーズナブル。
総合栄養食です。
Amazonのレビューでも食いつきが良いと評判だったので、購入しました。
しかし、ミックとジャガーの好みには合わなかったようで、ほとんど食べてくれませんでした。
健康で食い意地の張ったジャガーも食べなかったので、
メディファスは猫によって好みが分かれるのかもしれませんね。
超高級ドイツ製フード「アニモンダ ラフィーネ プティ」
圧倒的な高品質。そして値段も超高いペースト状のキャットフード。
ラフィーネの缶詰。
これ以上の品質のフードはありません。
Amazonや楽天のレビューを読んでも高評価がほとんどで、獣医師さんからの評価も高いです。
ハイソな家庭の猫しか食べれない超プレミアムフードですね(笑)
でも食べてくれるなら値段なんて気にしてられないので、ミックにも全種類の味を買ってみました。
左から、心臓、肉と魚、ウサギの3種類。
しかし、どれも食べてくれませんでした。。。
マジかよミック。。。
美味し過ぎて危険「シーバ デュオ」
何も食べないミックには、もはや禁じ手を使うしかありません。
獣医師さんたちの間では「美味し過ぎるから普段はあげない方が良い。他のキャットフードを食べなくなる」と言われるほどの、激うまキャットフード。
もちろん栄養も満点。
一見おやつのように見えますが、総合栄養食なのでこれだけで必要な栄養が100%摂れます。
それが「シーバデュオ」です。
ミックとジャガーが家に来たばかりの頃に一時期あげていたのですが、美味しすぎて危険と獣医師さんから教えてもらったので、あげるのをやめていた禁断のフード。
外はカリカリ、中身はトローリという、まるでベイクチョコのような食感。
癌になりにっちもさっちもいかなくなったので、掟を破ってあげてみると…ミックは食べました!!
何をあげても食欲が戻らなかったあのミックが!!
もちろん抗がん剤の副作用なので健康な時のようにお腹いっぱいになるまで食べてくれることはないですけど、それでも他のキャットフードとは別次元の食いつきです。
栄養も偏りなく、しかも子猫用なので少量でもカロリーは摂取しやすい。
シーバデュオ恐るべし。
栄養を考えずにとにかく食べさせたい時の「シーバ とろ~り」
猫ちゃんたちがみんな大好きなチュールタイプのおやつ。
一般食です。
栄養バランスは良くないですが、比較的これはよく食べてくれます。
ミックの場合は食欲がゼロになって、体重も激減。
「もう何でも良いから食べないよりはマシ」という状況になった時だけあげるようにしています。
これだけでは十分な栄養は摂れませんが、非常時には仕方ないので。
あとは薬を飲ませたい時ですね。
シーバとろ~りにサンドウィッチのように薬を挟んで薬の味がしないようにすると、すんなり食べてくれることがありますよ。けっこう難しいですけどね。
これは獣医師さんから教えてもらった薬の飲ませ方です。
すべてのキャットフードを食べない時は「手作り茹でササミ」
シーバとろ~りしか食べてくれない時には、キャットフードをあきらめて鶏のササミをあげることもあります。
ササミはキャットフードよりも食いつきが良いんですよね。
ここからは猫にあげる時のササミの調理方法を紹介しますね。
スーパーで普通のササミを購入。
人間用のサイズで売られているので、猫に食べさせるには量が多すぎます。
しかも食欲不振なのでそんなにたくさんは食べてくれません。残った分はすぐに消費期限切れになってしまいます。
そこでうちでは、1回にあげる分量に切り分けてラップで包み、冷凍保存しています。
そうすれば消費期限の心配はなくなりますからね。
切り分けずに冷凍すると、あげようと思った時に解凍や切り分けに時間がかかり過ぎるので、
あらかじめ切り分けた状態で冷凍するのがポイント。
こんな感じですね。
使うときは、1つだけ取り出してレンジで生解凍。チン。
ある程度解凍できたら、さらに小さく切り分けて茹でます。
茹でる前に少し小さくおくと茹で時間が短縮するんですよ。
切り分けずに茹でると、中まで火が通るのに時間がかかりますからね。
塩などは入れません。ただ沸騰したお湯で茹でるだけ。
猫や犬は人間ほど塩分を必要としていないので、味をつけちゃうと体に悪いんです。
茹で上がったら細かく切ります。
普通の猫ちゃんならここまで細かくする必要はないと思いますが、
ミックは飲み込むのが信じられないくらい下手なので、微塵切り状態にしています(笑)
茹でたばかりなら水分もたっぷり含んでいるので、食べやすいですよ。
食べ残しを放っておくとカピカピになってしまいますけどね。
ササミだけだと栄養のバランスが良くないですが、猫がもっとも必要とするタンパク質は補えます。
ササミではなく、鶏もも肉などであれば脂質も摂れますね。
緊急時には皮下点滴と組み合わせれば、ある程度は必要な栄養素が補えます。
ササミはすべてのキャットフードを受け付けなくなった時の最後の手段であげている感じですね。
やっぱり猫は加工していないお肉が大好きですから、キャットフードは食べなくてもササミなら少しは食べてくれます。
ササミをただ茹でて切っただけなので、たいして手間はかかりませんし、余ったらバンバンジーなどにして人間が食べても良いですし(笑)
何をあげても食べなくなった時には、一度ササミを試してみたら良いかもしれませんよ。
うちではミックに何とか食べさせようとたくさんの種類のキャットフードを試してみましたが、ミックのように深刻な状況でなければここまでやることはないと思います。
成猫なのにキトン用をわざわざ選ぶ必要もありません。
毎日同じものばかりでちょっと飽きちゃっただけなら、ピュリナワン、アイムス、ロイヤルカナン、ナチュラルチョイスあたりから選べば健康的ですし、
避妊手術の後など、一時的に食欲が落ちているだけならロイヤルカナンのパウチやふわニャンで十分だと思います。
状況に合わせて上手に対応していきたいですね。
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