2018年4月16日月曜日。
ミックの抗がん剤治療は7週目に入りました。
今週打つ予定の抗がん剤はシクロホスファミド。
前回打った時には強い食欲不振の副作用が出てしまった薬です。
少し不安になりつつも、副作用には上手に対応していくしかありません。
すべては癌を押さえつけて長く健康に生きるため、
今回もミックには頑張って病院に行ってもらいました。
最近ミックは病院に連れて行かれる気配をいち早く察知します。
私がよそ行きの格好に着替えると、警戒して逃げるようになってしまいました…
病院に連れて行かれると察知して、姿見の下に隠れるミック。
動物病院で健康状態を念入りにチェック
今日ももよろしくお願いします。
ミックちゃんの先週の様子はいかがでしたか?
そこから食欲が全然なくなったので、食欲増進剤を飲ませてみました。
ね、ミック
先週は食欲が落ちてしまったので、食欲増進剤を使ってミックに元気になってもらったのですが、1度使っただけで元気になったのならOKみたいです。
というわけで、いつものように触診、聴診、血液検査、レントゲン写真撮影を行いました。
それって何が分かるんですか?
軽く押してみて色が回復するまでの時間を確認することで、脱水しているかが分かるんです。
ただ色をみているだけだとずっと思っていたのですが、脱水状態まで確認していたんですね。
私は全然知りませんでした。
ほとんどの獣医師さんは猫のお腹を触るだけで健康なうんちがあるか、尿が溜まっているかなども分かるみたいだし、
腕のある獣医師さんは触っただけで小さな腫瘍を見つけることがあると言います。
医師ってただ頭が良いだけじゃ務まらなくて、職人芸的な能力も必要ですよね。特に獣医師は人間の医師よりも診る対象が遥かに広いので、めちゃくちゃ高い能力が求められる仕事だと思います。
好中球の数が減り過ぎて、抗がん剤の投与は延期
先週の写真と比べても分からないので、抗がん剤治療を始める前と比べてみましょうか。
左の今日の写真では大きかった腫瘍の圧迫がなくなって、食道の位置が下がってますね。
これは抗がん剤を打てないレベルまで下がっているので延期です。
水曜日にずらしましょう。ご予定は大丈夫でしょうか?病院に来ていただけれそうですか?
でも水曜日って明後日ですけど、それまでに数値が戻るんでしょうか?
今が数値の最底辺で、1日毎に数値は回復していきます。
もちろんまた血液検査で確認をしてみますが、大丈夫だと思います。
ご家庭でできることは…特にないですね
こういうのを僕たちは「副作用のイベント」と呼んでいるんですが、イベントが起きた方が長生きするんですよ。
副作用が強く出ている、それこそ死にかけるくらい出ていると、がん細胞もめちゃくちゃ死んでいます。
完治に向かうと、それなりの副作用も出るんですよ。
だからイベントは起きた方がいいんですよ。
次回からは毎週水曜日に来てくださいね。
ひもで遊びまくるよ!!
というわけで、今日は抗がん剤治療を始めてから初めて投薬延期となりました。
いつも血液検査はギリギリでパスしていましたが、今日は完全にアウトという感じ。
腫瘍専門医のS先生のお話では決して悪いことではないようですが、
経験の浅い私たちとしては「副作用が出過ぎて抗がん剤が打てない!?ヤバいじゃん」とついつい考えてしまいます。
でもそういうわけでもないんですね。
人間の抗がん剤治療では寝たきりになって、吐きまくって、ハゲまくって、痛みまくって、見るに耐えなくらい壮絶に副作用と戦いますよね。
死ぬギリギリまで頑張ることでようやく癌細胞を完全に殺すことができます。
できるものなら、動物でもそのくらいまでやって完治を目指すのが理想なのでしょう。
しかし動物の場合はそこまで負担を負わせる治療はできないので、QOL(生活の質)をできるだけ高めつつ治療も行うという方針を取るんですね。
水曜日、再び病院へ。しかし再延期に。
今日こそは白血球(好中球)の数字が戻っているだろうと期待していたのですが…
顕微鏡で観ると若いのもちょっとあるんですけど。
次回は数値が戻っていなくても打った方が良いです。さらに先延ばしにすると治療強度が落ちてしまいますから。
さなこーさんたちには何度も病院へ足を運んでいただくことになるので、負担が増えてしまいますが…。
土曜日にはなんとか数字が戻ってるといいなぁ
というわけで、この日も再延期。
ここに来てミックの白血球の戻りが明らかに悪くなってきました。
土曜日。好中球の数は基準値ギリギリ。薬を投与できる水準に回復。
2018年4月21日土曜日。
いつもは平日に来院していたのでそれほど混んでいなかったのですが、休日はやっぱり患者さんが多いです。
しかもこの日はたまたま急患が入って臨時の手術となり、予約した時間を過ぎてもしばらく待つことになりました。
S先生はしばらく手が離せなかったので、別の先生に問診や採血だけしてもらって、手術が終わり次第S先生と血液検査の結果を見るという形になりました。
1時間ほど待って診察室に呼ばれると、髪の毛が若干ぺたんこになったS先生がいました。
長時間の手術で汗をかきながら帽子を被っていたのかな?という出で立ちです。
いつもはこんなにお待たせしてないんですけど。すいません。
これ以上先延ばしにするのは良くないので、今日は打ちましょう。
食欲増進剤は副作用があるというわけでもないので、食欲がなさそうだったら使っちゃっても良いと思います。
前回この薬を打った後には食欲不振で点滴を打ちに来院して頂いていますので、今回も同じようになる可能性があります。
それから今日打ったらまた来週の土曜日に来て頂きたいのですが、やはり数字の戻りが悪くて延期する可能性も高いと思います。
何とか今日は数字が戻ってくれていました。
ギリギリというか、ほんのわずかにアウトでしたけど。
食欲不振やヒゲが抜けるなどの副作用も出ているのですが、一番は骨髄への副作用が問題です。なかなか戻ってくれません。
抗がん剤治療も7週目に入り、目に見えて戻りが悪くなってきました。
副作用、副作用と言っていますが、ミックの見た目にはあまり分からないんですけどね。
運動量は落ちているものの元気に遊んだりもするし、苦しそうな様子も見せません。
目に見えて気分が悪く見えるのは、食欲がないことくらいです。癌になる前のようにガッツいて食べることは一度もありません。
飼い主の私たちには分からないだけで、本当はだるかったり、気持ち悪くなったりしているんでしょう。
いつもの表情で動かずじっとしているときは、実は苦しみに耐えている時間なのかもしれません。
いろいろ思いながら治療が終わるのを待っていると、処置室の方からミックの叫び声が聞こえてきました。
今日も頑張ってくれています。
今日は点滴と吐き気止めを入れていますが食欲増進剤は入れてないので、怪しいなと思ったら早めに使っていいと思います。
それでしのげるのであれば点滴は必要ないですし。
ありがとうございました。
抗がん剤は人間にも悪影響がありますので、体内に入らないように注意が必要なものなんですね。
猫の体内を通って、おしっこやうんちとして体外に排出されるときには無害な物質に変わっているのですが、
一部そのまま出てくる可能性を考慮して、抗がん剤を打った後の1日くらいはトイレの片づけに注意が必要だと言われています。手袋をして直接触らないようにしたり、早めに片づけたりですね。
シクロホスファミドは特にその点の注意が必要です。
これで第7週目の投与がようやく終わりました。
3回も病院に行ったので、その分だけ費用も嵩みました。
1回目が8,320円、2回目が4,000円、3回目が13,180円。
合計で25,500円也。
血液検査の数字が悪くて延期ということが増えていくと、今後も費用は膨らみそうです。
最近はミックのヒゲの量が目に見えて減りました。
上のが最近のミック。下の写真の健康な頃のミックのヒゲと比べると一目瞭然。
ヒゲの数が半分以下になってしまいました…。
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