ミックが癌になり、1種獣医腫瘍科認定医のS先生の元で抗がん剤治療を受けることにしました。
UW-25プロトコールの抗がん剤治療は25週間も続く治療で、前半は毎週1回、抗がん剤を投与します。
今日はその最初の日。1週目の治療の日です。
UW25プロトコール1週目で使う抗がん剤のリスク
ミックが受ける抗がん剤治療はUW-25というプロトコール(治療計画)で行われます。
その第1週目の抗がん剤投与には特有のリスクがあるとS先生から説明を受けました。
病院で投与するのはL-アスパラギナーゼ(商品名ロイナーゼ)、ビンクリスチン(商品名オンコビン)。
それから自宅でプレドニゾロン(商品名プレドニン)の錠剤を与えます。
1週目は合計3種類の抗がん剤を投与するわけです。
ミックちゃんにどのくらい効くのかは事前に知る方法はありませんので、やってみないことには分かりません。
そうすると癌細胞内にあった毒性のある成分がミックちゃんの身体の中に急増することになります。
これが多すぎると急死してしまうことがあるんです。
リスクを避けるために点滴を打って濃度を下げ、おしっこで排出します。
また急変に対応できるように監視も必要なので、半日は預からせて頂きます。
こんな話を聞いていたので、私たちはとても心配でした。
ほとんど起こらないとは言え、絶対に起こらないわけではありません。
運です。
運しかないなら、頼れるのは神様だけです。
ミックを病院に連れて行く前に、嫁さんと二人で家の近くの神社へお参りに。
私は日頃の感謝と、ミックの抗がん剤治療がうまく行くことを願いました。
1週目の抗がん剤投与前の検査
ミックを朝9時に病院へ連れて行くと、まずは検査から始まりました。
レントゲン写真を撮って、現在の腫瘍の状態を確認します。
抗がん剤治療を行うことで、この腫瘍がどれくらい小さくなるかを後で比較するためです。
それから血液検査、超音波(エコー)。
抗がん剤治療を始めても良い健康状態なのか、他の臓器への転移は見られないかなどを確認。
また抗がん剤を投与した後に血液に副作用が出ていないかを比較・確認するためでもあります。
ミックの血液には異常なし。
血液中にがん細胞が見つかることもありますが、今回はそれもありませんでした。
エコー検査も異常なし。他の内臓の異常は見られませんでした。
レントゲンでは通常黒くなっている縦隔が白くなっており、腫瘍が認められました。
大きさは普通くらいで、大きくもなく小さくもないというところみたいです。
※ミックのレントゲン写真をスマホカメラで撮影させて頂けました
抗がん剤治療によって、この白くなっている部分が黒くなるのを目指します。
早く効果が出る子は1週目~2週目でがん細胞の減少が見られるようになるそうです。
うまく行けばレントゲンではまったく映らなくなるそう。
そうなると、とりあえず「寛解」という判断になります。
レントゲンに腫瘍が映らなくなっても、完治したわけではありません。
レントゲンでは5mm以下の小さな腫瘍は発見できないんです。
5mmと言っても細胞の数は10万とか20万というレベル。残った癌細胞が増殖を続ければ、あっという間に大きくなって再発してしまいます。
5mm以下の腫瘍はCTなら発見できますが、CTで撮るには猫の場合麻酔が必要になるのでリスクがありますし、そもそもこの病院にはCTがありません。
またCTで撮って見つけたところで、治療方法が変わるわけではないので、あまり意味もないという感じです。
なのでレントゲンに映らない状態になってからも半年くらいは抗がん剤治療を継続し、癌細胞ができるだけ少なくなるのを目指します。
抗がん剤の投与中、飼い主は待つのみ
というわけで、一通り説明を受けたら私たちにはやれることは何もないので、ミックをS先生にお預けしました。
電話がなければ順調に行っていると思ってください。
待っている間が落ち着きません。
確率が低いとは言え、もしものことがないかと心配でたまりません。
でもこんな日に限って営業の電話が鳴って「ドキッ!!」としたり。
営業さん、空気読んでくれよと。
治療は無事に終わった!
過剰に心配しまくっていた私たちですが、時間は流れ、日が落ちました。
どうやらミックの1回目の投与は無事に終了したみたいです。
病院に迎えに行くと、ミックが診察室でワイワイ騒いでいます。
だいたい3日後~4日後に起こりやすいです。
嘔吐は1日に4回が目安です。4回以上吐くようでしたら連れてきてください。
ステロイドは胃を荒らすので胃薬も出してもいいのですが、今までは飲んでないんですよね?
予防として吐き止め薬も出しても良いのですが、まあこれもとりあえず様子を診ましょう。
1週目の料金は40070円でした。
25週まで続くんですけど…
というわけで、ミックはステロイドだけもらって無事に帰宅しました。
点滴のために腕の毛を剃られたようで、なんか細い。
こうして見ると、ずいぶん可愛い手だな…
ミックは病院に行くとすごく騒ぐので、いつも家に帰るとどっと疲れが出るみたい。
この日も疲れたみたいで、すぐに寝てしまいました。
1日後のミックの様子
いつものように朝から「遊んで」とねだるので紐で遊んであげたのですが、運動量が激減。
私が紐を動かしても、ミックは見ているだけで追いかけません。
明らかに活動量が減ってしまいました。だいたい寝ています。
ただ食欲はあって、嘔吐もなく。深刻な副作用は出ていないっぽい。
やっぱり猫は苦しみや痛みが表情に出ないので、
どこか痛いところがあるのか、全身に倦怠感があるのか、息が苦しいのか、
本当の気持ちは何も分からないですね…。
2日後のミックの様子
この日は食欲も落ちました。
食べなくはないけど、いつもの半分くらいで止めてしまいます。
運動量はさらに落ちました。
いつもはうるさいくらいに「遊んで」とねだるのですが、今日はほとんど鳴きません。
朝に少し遊んで欲しそうな顔をした後、16時くらいまでずっと寝ていました。
S先生の話では3日後~4日後に副作用が出やすいという話だったので、明日・明後日はますます悪くなるのでは…と心配したのですが、なぜか16時以降はやたら元気に。
しっかり遊ぶし、食欲も戻ってきました。
今日のところは大丈夫そう。
S先生は副作用は1週目に打った2種類の抗がん剤が一番強く出るはずだと仰っていたので、
それでこの程度の感じなら、ミックは目に見える副作用があまり出ない体質なのかもしれません。
血液検査をしてみないと分かりませんが。
3日後のミックの様子
ミックは1日中元気です。
食欲は益々戻って、吐き気もなく、紐でもそれなりに遊びます。
遊んでいると「ちょっと疲れやすいな」とは思うけど、心配するほどではなさそう。
そして、なぜかものすごく甘えます。
やたらスリスリしてきたり、「撫でて撫でて」と言ってきたり。
撫でてあげるとゴロゴロが止まりません。
ジャガーがいた時はこんなに甘えなかったのですが。
寂しいのかなぁ
4日後のミックの様子
今日もすごく元気。遊びたがるし、キャットフードもたくさん食べます。
癌が進行して体調が悪くなると、食べられなくなってガリガリに痩せてしまうので、その時に備えて今は多少太っても良しという考えで、食べたいだけ食べさせています。
元々ミックは食が細く、スリムな体型で太りにくいですしね。
副作用の山場と言われていた3日後~4日後を元気に乗り越えたので、今週はもう心配はいらなさそうです。
ほっとしました。
5日後のミックの様子
今日も問題なし。
最近気になることがあります。
ミックは今までフカフカの場所が大好きでした。
いつもミックがいるのはソファー、ブランケット、布団、クッション性の高い椅子など。
柔らかい物の上にいたんです。
それがここ2~3日は妙に固くて冷たい場所にいます。
フローリングや、板の上など。寝転がっていると体が痛くなって、冷えそうな場所ばかり。
私もミックと一緒に寝転がってみましたが、まだ3月上旬なので数分で寒くなってきます。10分以上はとてもじっとしていられません。
猫は寒さが苦手なはずなのにちょっとおかしいなと思っています。
薬の影響で今は強制的に免疫力が落ちている状態。
こんな場所ばかりにいたら別の病気になりそうでちょっと心配。
次回病院に行ったときにS先生に聞いてみます。
抗がん剤の投与から丸一週間が経過
いろいろ心配はしまくったものの、ミックに大きな副作用は出ず無事に1週目が終わりました。
副作用対策の薬なども飲む必要がなく終われたのは、本当に運が良かったなと思っています。
インスタやツイッターからミックを応援してくださったみなさんの祈りのパワーかもしれません。
ミックと私たちの援助ためにこのサイトからピュリナワンを購入して頂いた方も複数人いらっしゃいました。お金まで使ってくださるなんて…。
本当にありがたいというか、ここまで優しい方がたくさんいるんだと実感して、感動したというか…。
私のつたないボキャブラリーでは上手に伝えられないのが歯がゆいですが、とにかく感謝、感謝の一週間でした。
みなさん、本当にありがとうございます。心から感謝しています。
お気持ちはきっとミックにも届いていると思います。
あとは抗がん剤が効いてくれているのを祈るのみ。
腫瘍よ!!小さくなれ!!
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