ミックのガン闘病記

ミックの抗がん剤治療11週目 ビンクリスチン5回目の投与

2018年5月24日

 

現在、ミックはUW-25という抗がん剤治療のプロトコールにもとづいてリンパ腫の治療を行っています。

プロトコールって何?というお話は以下の記事で。
 猫の抗がん剤治療のプロトコール UW-25とUCSU

 

これまでほぼ毎週抗がん剤を打ってきたのですが、今回からは2週に1回の頻度に変わります。
抗がん剤を打つ間隔が長くなるので、少しミックの体への負担も減ると良いのですが…。

大きな副作用が出なければ病院へ行く回数も減っていきますし、順調に行ってほしいなと願うばかりです。

 

副作用は個体差が大きい

先々週にドキソルビシンを投与した後の1週間くらいは、ミックはそれなりに元気に過ごしていました。
しかし先週は副作用のせいか2日連続で吐いてしまい、体重も落ちて3.2kgと過去最低水準に。

主治医のS先生のお話によると、抗がん剤の副作用で食べてすぐに吐くということはあまりないそうですが、
副作用の出方は個体差が大きいので「ミックの場合はこういう症状が出やすいと考えられる」ようです。

ミックのリンパ腫が発見されたばかりの頃は、胸の腫瘍が大きくなりすぎて食道を圧迫し吐き戻してしまうことがありました。
今では抗がん剤の効果により腫瘍はレントゲンで確認できないくらい小さくなっているので、癌が再発して食道が圧迫されて吐いている可能性はなさそうです。

前回ドキソルビシンを打った時にも1週目は元気だったけど2週目で吐き戻しがあったので、やはりミックはそういう体質なのかもしれません。

この副作用とは上手に付き合っていくしかないですね。

 

投与する抗がん剤はビンクリスチン

今日は2018年5月23日。

ビンクリスチン(商品名オンコビン)という抗がん剤を打つ日。

ビンクリスチンはもう5回目です。

いつものように血液検査とレントゲンを撮って、ミックの体の状態をしっかりと確認。
体重は3.24kgと少しだけ回復していました。

血液検査の方も幸いにして白血球の数字、その他の数字も全部良好。
レントゲンもまったく変化なし。寛解状態を維持しています。

今回は何も負担なく投与できそうです。

 

S先生
今日はさなこーさんたちにも抗がん剤を打つのを手伝って頂いてもよろしいでしょうか?
さなこー
はい、もちろん良いですけど…
今日はまたなんで?
S先生
ミックちゃんは私たち獣医師だけで打つと暴れるのですが、さなこーさんたちが一緒にいらっしゃる時は大人しくしてくれるますから。
さなこー
たしかに…
S先生
ビンクリスチンは注射で投与しますので、保定をお願いできますか?
さなこー
分かりました

 

というわけで、いつもは獣医師さんが3人がかりでミックを押さえつけて抗がん剤を投与しているのですが、
今回は私がミックの前足を押さえ、獣医師さんが後ろ脚を押さえ、S先生が注射を打つ。
嫁さんはミックが注射を見ないようにミックの首の周りにタオルケットをかけて、顔を嫁さんに向けさせて落ち着かせるために声をかける役です。

こんな感じで初めて私たちも抗がん剤を打つのをお手伝いしたのですが…

なんということでしょう!!

ミックはおとなしくしてくれました!!

もちろん動いたり、ウウーと唸ったりはしていたのですが、いつものように病院中に響き渡るほどのけたたましい声を上げることはほとんどありませんでした。

 

S先生
いやぁー、いつもと全然違いますよ
さなこー
そうですね
S先生
いつも抗がん剤を打った後に皮下点滴を打つのですが、もうその時はめちゃくちゃ大騒ぎですから(笑)
さなこー
今日はほとんど動きませんね
ミック
・・・
S先生
これからはさなこーさんたちにお手伝いしてもらった方が良いな
さなこー
獣医師さんって、動物たちには感謝されないのが悲しいですよね
S先生
あははは(笑) そうですね。
動物たちはみんな「こいつ死ねよ」くらいにしか思ってくれませんよ
さなこー
ミック、先生をにらんでばかりいないで、たまには可愛い顔を見せろよ
ミック

 

こうしてミックは今まで一番おとなしく治療を受けてくれました。

やっぱり猫もメンタルが大切です。
信頼関係がある人がそばにいるだけで心の負担が減るんですね。

 

 

今回の治療費は食欲不振で点滴を打ちに行った日も含めて、30,240円でした。

 

最近、私が思うようになったこと

ミックは1歳10か月でリンパ腫になってしまいました。

発症した当初は「こんなに若いのに何で?」とか「運が悪過ぎるよ」と考えることもよくありました。
今でもたまに思います。

ただ最近は少し目線を変えて考えるようにもなりました。

ミックがもし野生のネコだったら現在生きてる可能性は0%でしょう。
リンパ腫が見つかった時には腫瘍は脊髄の神経を圧迫して瞳孔の大きさが変わるほど巨大化していたし、肺に水が溜まっていたし、食事もうまく食べられなくなっていました。
そのまま放置していたら2週間も持っていたかどうか。

もし100年前なら飼い猫だったとしても、やっぱり1~2ヶ月で死んでいたと思います。
動物にまともな抗がん剤治療なんてできない時代でしたからね。

でもミックは動物愛護センターからたまたま我が家に来て、たまたま今の時代に、たまたま動物の医療が受けられる日本という国で生まれました。
運がまったくなかったわけじゃないんですよね。

ステロイドがよく効いてくれたので肺の水も止まったし、
副作用はあるけど抗がん剤もよく効いてくれたので腫瘍が見えなくなるくらい小さくなって寛解しました。

体調が良い日はとても元気に遊びまわることが出来ています。

私のひざの上で寝ているミックを見ていると感謝の気持ちが湧き出てきます。

 

もしも抗がん剤が効かなくてどんどん症状が悪化してあっという間にミックが亡くなってしまっていたら、こんな気持ちにはならなかったかもしれませんけど、運良く今のところは順調に来ています。

やっぱり感謝ですね。

考える視点、経験、立場が変われば、私が感謝すべきことも丸っと変わってしまうんですよね。

 

そういえば最近、岐阜県でただ一人の1種腫瘍認定医の先生が書いているブログを読みました。

犬や猫の腫瘍治療について分かりやすく書かれていますので、同じ病気で悩んでいる方の参考になるかもしれません。

 リンパ腫と診断されたら…知っておきたい10の事。犬の多中心型リンパ腫

 

犬・猫のがん治療でお悩みの方は専門医のセカンドオピニオンを受けてみると良いかもしれません。

数多くの症例を診ているので的確なアドバイスがもらえると思います。
日本全国にいる認定医のお名前、勤務先の動物病院は以下のサイトで確認できますよ。

 獣医腫瘍科認定医Ⅰ種取得者

 

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ミックの抗がん剤治療13週目 今週はシクロホスファミド

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