あれ? ミックが痛そうに片目をつぶってる。
ミックは、ジャガーとじゃれあっていて目を傷つけることがあります。
ミックは気が強いので、ひるまずに立ち向かいすぎるのかもしれません。
SNSなどを見ていても、目が濁っていたり、片目を縫われたりしている猫をよく見かけます。
そうなった経緯は様々でしょうが、目の病気は、猫にとって身近な病気の一つです。
ここでは、猫の目に関わる症状について、その原因と、病院へ連れていく前に家庭でしておくといい対処法について説明したいと思います。
目やに
目ヤニは、猫を飼っていると、よく症状として見る機会が多いものです。
寝起きに少量の茶褐色の目ヤニがついていても、健康的なものなので問題ありません。
これは、目の中の老廃物を吐き出して新陳代謝をしているのです。
これとは違った目ヤニが出ている場合には注意が必要になります。
細菌に感染した場合には、べたべたした膿状の黄色や緑色をした目ヤニが、目の周り全体に付着しています。
外傷やアレルギー性によるものの場合には、涙を大量に出して、目を守ろうとします。
そのため、涙が乾いてサラサラとした透明の目ヤニが出ます。
片目からしか目ヤニが出ていなければ、外傷である可能性が高いです。
細菌感染であれ外傷であれ、通常とは違う目ヤニが出ている場合には動物病院で獣医師の診断を受ける必要があります。
家では症状の悪化を防ぐために、飼い主が対処すべきことをしておきましょう。
対処方法
清潔なガーゼやコットンをぬるま湯で濡らし、眼球に直接触らないように気をつけながら、目の周りを優しく拭きます。
使用後のガーゼやコットンは、感染の恐れがありますので、必ず廃棄し、手を洗うようにしましょう。
『ガーゼもコットンもないなぁ。どうせ濡らすなら、ウェットティッシュがあるから、それで代用しよう。』と思うかもしれません。
ですが、市販のウェットティッシュの成分の中には、アルコールが含まれていることが多いです。
ウェットティッシュで代用するのであれば、アルコールが配合されていないペット用のものか、赤ちゃんにも使用できるものを使いましょう。
目ヤニを見つけたら、二次感染を防ぐためにも、早めにこまめに拭き取ることを心がけましょう。
目の腫れ
目の腫れかたには、さまざまなパターンがあります。
結膜の腫れ(結膜炎)
- 猫ヘルペスウイルスの感染によるもの
- クラミジアの感染によるもの
- アレルギーによるもの
- 外傷によるもの
- 角膜炎からの波及によるもの
目の腫れの原因としては、猫ヘルペスウイルスの感染の可能性が最も高いです。
別名・猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)とも呼ばれていて、子猫であればあるほど重症化しやすくなります。
また、一度ウイルスに感染してしまうと、治ったかに見えても体内には潜伏していて、免疫力が低下した時に再発することがあります。
予防としてはワクチン接種が効果的で、病院で定期的に混合ワクチン接種をしていれば、通常はその中に猫ヘルペスウイルスに対応するワクチンも含まれています。
人間の風邪などと同様で、飛沫感染する(よだれや鼻水にいるウイルスがくしゃみなどで感染していく)ので、複数の猫を飼っている場合には、感染している猫を隔離するようにしましょう。
眼球の腫れ
眼球そのものが肥大化している場合は、緑内障の可能性が高いです。
緑内障は失明する可能性もある病気なのですぐに病院に連れて行きましょう。
参考記事
猫は緑内障で失明する ~猫の病気・けが症状別対処法~
まぶたの腫れ
- 細菌感染や炎症からくる「ものもらい」によるもの
まぶたの分泌腺や毛穴に細菌が感染して化膿し、赤く腫れている場合は、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言います。
マイボーム腺に脂肪が詰まって炎症を起こし、硬いしこりができている場合は、霰粒腫(さんりゅうしゅ)と言います。 - 細菌やウイルスによる感染やアレルギーから発症する眼瞼炎(がんけんえん)によるもの
- 外傷によるもの
こういった目の腫れに気づいたら、出血や異物混入、外傷がないかを確認し、それぞれに適した応急処置を試みましょう。
応急処置をしたらすぐに病院で獣医師に診てもらいます。
特に緑内障はどれだけ早く治療を開始できるかで、症状が大きく変わります。治療が遅れた結果、失明してしまことも非常に多いです。
対処方法
・目の周りから出血がみられる場合
清潔なガーゼで、出血している箇所を数秒間おさえます。
ガーゼの代わりにハンカチなどの布を冷水で濡らして使っても、止血する効果があります。
それから、包帯を巻くとなお良いでしょう。
・目の中にゴミなどの異物が入っている場合
異物を洗い流すことで症状が緩和することが期待できます。
その際には、以下のものを点眼し、数回まばたきさせることで、目を洗うとよいでしょう。
人口涙液やヒアルロン酸の点眼液など人間が使用している目薬
洗眼薬として知られているホウ酸水(ホウ酸を2%以下に薄めたもの)
水道水をストローに入れ、片側の穴を指でふさいだ状態から、徐々に指をずらす
ゴミではなく、シャンプーなど薬品系の液体が入っている場合には、水道水で洗うのが望ましいです。
その場合には、もう片方の正常な目には、点眼した水が入らないように気をつけましょう。
・眼球に傷がある場合
特に圧迫などはせず、猫が目をかいたりこすったりしないよう、エリザベスカラーで防ぎましょう。
・目をこすっている場合
炎症の悪化を防ぐためにも、エリザベスカラーなどで、目をこすらせないようにしましょう。
エリザベスカラーがなければ、紙パックなどの厚紙を利用して自作もできますので、それで代用しましょう。
エリザベスカラーは首回りに指2本分が入る程度の余裕ができるように調整してはめてあげましょう。
涙が出ている
猫は、人間と違って、正常な状態で涙を流すことはありません。
猫が涙を流している場合は、何か目に異変が生じていると思ったほうがいいです。
涙が、正常なルートを通らずに目から流れでてしまい、目の下の皮膚や毛が濡れることで、皮膚炎や感染症になりやすい状態、いわゆる涙やけになっている状態が、流涙症(りゅうるいしょう)です。
涙が流れる原因としては、
・ゴミやシャンプー、逆さまつげなど外部からの刺激
・結膜炎・角膜炎などの炎症
・鼻涙管(びるいかん)の詰まり
涙は通常であれば、鼻涙管という器官を通って目から鼻へと排出されます。
排出ルートをふさがれてしまうため、目からあふれてしまっているのです。
・マイボーム腺の機能不全
涙は、目の角膜側から、粘液層(ムチン層ともいう)・涙液水層・油層の3層構造をしています。
マイボーム腺というのは、眼球表面を乾燥させないように油層を分泌する組織です。
このマイボーム腺がうまく機能しなくなることで、油層が不足し目が乾燥します。
その乾燥から痛みが生じ、涙液を増加させてしまい、涙を目にとどめておけなくなるのです。
・アレルギー
猫も人間と同じようにアレルギー反応によって目から涙が出ることがあります。
対処方法
目の腫れのところで書きましたが、ゴミやシャンプーなどの異物が入って涙が出ている場合には、洗い流すことが効果的です。
それを嫌がる場合には、人肌ほどに温めたタオルで、目の周りを拭くだけでもかまいません。
外部からの刺激であっても、逆さまつげの場合には、病院で抜いてもらうしかありません。
また、目を気にしているそぶりがあれば、エリザベスカラーをするようにしましょう。
ここまで、目に関係する3つの症状における対処方法を紹介しました。
人が猫の顔を見たときに、真っ先に視線がいくのが目です。そのため比較的異変には気づきやすいです。
猫とコミュニケーションをとる中で、症状が軽いうちに早めに気づいてあげたいですね。
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